お茶会のお菓子は

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魔女の日常は面倒くさい……まして新人なら。 三日月の夜には 会合~サバト があって、必ず出席しなくっちゃいけない。 ベテランの先輩方を差し置いて欠席なんてしたらもう、後々どれほど説教されることか。 あんなの、一度で充分だ。 やっと卒業した見習いに差し戻すぞと脅かされて、おおいにびびった私。 叱られたその夜「絶対、二度と、遅刻なんてしない」と誓ったのだけどさ。 夕食の時、両手を強く握りしめて誓った相手がアップルパイだったのはマズかったと思う。 いや、美味しかったけど。 誓いも食べてなくなったみたいで、今夜、またやらかしそう。わたしはあの日の誓いを思い出してため息をついた。 アップルパイの美味しい思い出とない交ぜにする後悔はちょっぴり深刻さに欠けていたのか、見事に道に迷ってしまった。
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