救い

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「あっ、ローラ」 バーバラが子供抱いているローラに気が付いた。 「ナチュラルグリルの執行役員ローラですよね」 「そうよ」 「亮とは?」 「私たち家族がこうして居られるのも亮おかげなのよ」 「詳しく知りたいわ」 「バーバラ、インタビューは 後でゆっくりしましょう」 亮はバーバラを窘めた。 その後到着ロビーのドアが開く度有名人が出て来た。 「ええっ、モデルのシンディ」 「キャー、ケイト」 浴衣姿のケイトにシンディが抱きついた。 「素敵よケイト。これ着物?」 「そう、着物だけどユカタって言うの涼しいわ」 「私も着てみたいわ、でも身長があるから それにオーダーメイドでしょ」 「ううん、着物はデザインは皆同じ色と 模様で選ぶのよ、桜、芍薬、牡丹、百合、菖蒲、 紫陽花、朝顔、蝶、金魚それぞれ花言葉のように意味があるの」 「ケイト、あなたの言った花の名前桜しか知らない」 「ゴメンなさい」 「すっかり日本に馴染んだわね」 「うん、日本大好き」 「いいわね私も」 「時々日本に来て、私家を買うつもりだから」 「家?」 「アバートよ日本ではマンションて言うのそこに泊まりに来て」 すっかり明るくなったケイトはシンディに止めどもなく話した。 「そうだ、浴衣を着る時は襟足を見せるように髪をアップするの」 ブロンドの髪を上げた襟足を見せた。 「とてもセクシーだわ」 それから脇の下を見せた。 「ここは身八口と言って空気が出入りしてとても涼しいの」 「本当!男性が喜ぶわ」 「元々湯上りに着る着物だから下着は付けないの」 「日本人の文化って凄い」 マリアはシンディとケイトの会話を聞いてデザインを思い浮かべていた。 浴衣美女の中にひときは人目を浴びている 女性がたくさんの男性に写真を撮られていたのは絵理子だった。 薄紫の地色に紫陽花の花があしらわれた絽の 着物姿は妖艶で首筋からすっと伸びた背筋 そして形の良いお尻、観光客が写真撮影を懇願していた。 「絵理子さんもいらっしゃんですね」 「あら、亮さん。祐希もいるはずよ」 「素敵です、絵理子さん」 「ありがとう」 そこへマリアが来て絵理子の絽の着物の生地を触った。 「なんて素敵なのシースルーだわ」 「これは絽と言って夏用の着物の生地です。 もっと薄いのが紗と言う生地でもっと荒い織りが蘿と言います」 「この生地の見本ないかしら?」 「取り寄せます」 「お願い」 シンディも興味深く生地を見ながらデザインを思い浮かべていた。 「他にも麻という素材もあります」 「なんて言うことなの! 日本人は季節に合わせてデザインどころか素材まで変えるなんて」 中村と祐希は亮に用がある人達に スケジュール表を渡し処理をして行った。 「パパ!」 絢香が走ってきて亮に抱きつき手を握った。 「絢香大きくなったな」 亮は絢香を抱き上げ イヤフォンマイクで言った。 「これが僕の娘だ護れ!」 「はっ」 声が聞こえた。 「この子、亮の娘なんだな」 デビッドが絢香を抱き上げると目の前が光り輝いた。 「ん?」 「どうした、デビッド 大丈夫か?」 「目の前がキラキラして何か幸せな気分だ」 「そりゃいい」 絢香は人に愛され多幸感与える不思議な力を持っている。 それを知る者いたら絢香は誘拐される亮はそれを恐れていた。 到着便が途切れると祐希は亮の元に来てハグをした。 「祐希、仕事の進行状況はどうだ?」 「順調だよ」 祐希は絢香の手を握った。 「実は…」 亮はフロリダのオレンジ農園の買収の話をした。 「凄い!オレンジジュースか、みんなと相談する。 そうだ、新しく仲間が増えたから今度会わせるね」 「ああ、楽しみにしている」 ハーバード大学の学生は世界中の 優秀な学生と金持ちの子女が集まっている、 亮は紹介されるのが楽しみだった。 「社長、そろそろ合宿所へ向かいましょう」 一恵と玲奈が迎えに来た。 「はい」 キャシーの別荘はオーシャンビュープライベートビーチが あり庭にはプールと広い芝の庭、寝室は10部屋有った。 それでも五十人は宿泊出来ず隣の別荘を借りる事になった。 團家の別荘はそこから車で5分坂を上がった 高台でプールとテニスコートの有る5LDKの建物だった。 「振り分けどうなさいますか?」 「ダンサーは團家の別荘、他はキャシーの別荘とその隣です」 亮は一恵の問に答えた。 「かしこまりました」 「ダンサーは大人が多いですから、自炊をお願いした方が良いですね」 「そうですね。それとマッスルカーブの体育館と グラウンド、トレーニングマシンは使えるように お願いしてありますが2週間も迷惑していないでしょうか?」
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