救い

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「使えるのが夜の6時までなので時間厳守で お願いします。起床は早めにしましょう」 「承知しました」 「今夜は身体検査と個別メニュー作りですね」 「はい、フィットネス用のブラとショートパンツでよろしいですね」 「はい、女性スタッフには身長、体重、各サイズ、 皮下脂肪を調べて貰って。シルエット写真、 体脂肪、筋量、筋力は我々がやります」 「はい、承知いたしました」 「今夜中にトレーニングメニューを作って午前中は 基礎トレーニングと美容メニュー、午後は個別トレーニングです」 「厳しそうですね、辞める娘が出たら?」 「代わりの娘はいますから大丈夫ですけど、SNSの件徹底して下さい」 「はい、マネージャーに伝えて有りますがもう一度確認します」 練習生が集められ亮は 全員の前に立った。 「ようこそ皆さん、代表の團亮です 今回集まっていただいた五十人はオーディションで 選ばれた皆さんです。他のオーディション番組のような勝ち抜け の手法ではなく、皆さんに育っていただく為に プロジェクトを開始します。従って、ここからふるいに 掛けられることはありません」 女性達はホッとして笑が浮かんだ。 「その代わり必ず与えたメニューをこなしてもらいます。 1ヶ月後あなた達は変化します。より美しく、 より魅力的に歌は上手くなり踊りも上手くなり 1年後は別人なっている事を保証します。 今回の合宿やこれからのトレーニングメニューは 秘密が多いのでSNSは禁止です。友達にも家族にも こんな練習をしている等の情報を漏らしてはいけません。 もしもそれを破った者は直ちに辞めていただきます。良いですね」 「はい!」 皆が声を上げた。 「ここに居る皆さんは仲間でもライバルでもありません、 一人一人方向が違うからです。 ただし、トレーニングに付いて行けないと 思ったら躊躇無く辞めてください。参加したい人は沢山います」 会場がザワついた 「Kpopに憧れたりアイドルに憧れたりするのは 止めてください。あなた達の行く道は世界です。 これから驚く程の有名なトレーナーが現れます。 メディアの向こうに居る人物が直接指導する事になります。 彼らは全て英語で指導します。集中を欠くことの無いように」 練習生が再びザワついた。 「毎日の練習で悩みが生まれます。相談は 全てスタッフが受けます。ここは学校と違います、 必ず善処いたします。この後個人面談があります。 名前を呼ばれるまでお待ちください」 そこにシンディが現れ亮とハグをした。 「この娘達を育てるのね」 「はい」 「モデル志願者はあの子たちね」 グループ分けしていた列を見てシンディが指さした。 「そうです」 「小さい子達がいるわね」 「はい、日本のファッション向けのモデルです」 「そうね、でも有望な子がいるわ」 シンディと浴衣を脱いだケイトが微笑んだ。 「ところで、さっき居た着物美女は?」 「彼女は礼儀、作法を教えます。小笠原流の師範です」 「素敵、私も習いたいわ」 礼儀正しい日本人を知っているシンディは作法と聞いて憧れていた。 「はい、1度体験してください、彼女達に礼儀、 作法を教える事よってトップスターになっても 礼儀を重んじる日本文化を伝えて欲しいんです」 「それいいわ 」 練習生は世界的モデルの シンディを見て感動で涙を流す者いた。 尊敬する人の直接指導は、どんなに辛くても 集中力が掛けることが無い効果がある亮はそれを狙っていた。 亮とスタッフの個人面談を行い、 1年後のシュミレーションデータを渡した。 「これが1年後の私ですか?」 「はい」 「私こんなになれるんですか?身長も伸びるんですか?顔も」 「はい、適切な運動量とケアと栄養を取れば」 「本当ですか?」 「はい、2年後はそれ以上になれるかも知れません、 この写真は誰にも見せないでください。嫉妬の対象になりますからね」 「頑張ります」 「五人のアイドルが二万人のファンを集客しても 一人のファンは5分の1の四千人と考えなくてはなりません。 一人で二万人を集められるアーティストを 目指してください。そして身も心も美しくなってください」 「はい」 その後亮はアサシオペアの報告を受けていた。 「調査どうもありがとう」 「いいえ」 「アルバイト料は?」 「はい、中村さんからいただきました、いいんですか?」 「はい、お土産買って帰ってください」 「あのう、彼女たちヤバい仕事しているみたいなんですけど…」 「はい、噂は聞いていました、彼女たちを助け出す調査なのでありがとう」 「本当ですか?助けて上げるんですね」 「そうです」 「良かった」 二人向き合って手を握りあった。 「二人にはダンスと歌のレッスンの他にテニスのレッスンをします」 「テニス?本当ですか?」 「8月のインターハイあるんですよね」 「はい、ハワイに行くと言ったら部長に怒られました」 「その為にロサンゼルステニスアカデミーからコーチを呼びました」
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