救い

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食事をしながら全員での仕事の話を終えた頃、ヘンリーから連絡が有った。 「例の船捕まえたぞ」 「ありましたか?」 「もちろん、缶詰の中にたっぷりと麻薬が入っていた」 「それは良かった」 「それで例の薬の件、上に伝えてある。保健福祉省の役人と一度会って欲しい。それからFDA(アメリカ食品医薬)との話し合いだな」 「時間掛かりそうですね」 「まぁな、あそこは厳しいからな。さすがの亮でもツテはないだろう」 「ツテか…そうですね。あるにはあるんですけど」 亮は計画書を書いてあるが世界中の 麻薬を扱って儲けている悪者を敵に回す為に うっかり声をかける訳には行かなかった。 「兎に角これは慎重に動きましょう」 「あぁそうだな。ところでジャネットの件だが」 「はい」 「ハワイに行くそうだ」 「そうですか、会うのが楽しみです」 「どうか彼女の為に時間を作ってくれ」 「もちろんです」 〜〜〜〜〜〜〜〜 亮は久しぶりにキャシーの部屋に行った。 ニューヨークを一望に見渡せる広い部屋は 一人で暮らすには広すぎる様だった。 「寂しくないですか?」 「そうね、いずれ二人になるけど、今はちょっとそれで話は?」 「実は……」 亮は闇鬼の話を始め新しい頭領になり 名前をダークエンジェルに変え、仕事も変えた事を伝えた。 「凄いのね、亮」 「すみません、内緒にしていて」 「ううん、これからどうするの?資金も掛かるでしょう」 「運営費の半分は文明が出して残りはボディガード、ネットセキュリティで収入を得るつもりです」 「そうか、大口の顧客を掴めば良いわね」 「実は来日するセレブや企業家のボディガードの仕事は貰えそうです」 「本当!何処から?」 「大統領が紹介してくれるそうです」 「ほんとにもう、アメリカ国民だって直接話なんかできないのに…」 「そうなんですか、直接電話があったので」 「それで今回手に怪我をしたのね」 「はい」 「これからもそんなに危険な仕事なの?」 「いいえ、もうこれが最後かなと思います」 「分かっわ、約束してもう危険な事しないって 産まれてくる子のためにも」 「はい」 「そう言えば彼女達の中でその組織のメンバーは誰?」 「小妹、マギー、バーバラ」 「えっ、バーバラも」 キャシーは唖然としていた。 「はい、バーバラは諜報活動の方です」 「凄い組織なのね、諜報活動なら私も依頼しようかしら」 「お願いします。ただ美喜さんはメンバーで はありませんけど僕の部下的な存在です」 「つまりあなたの周りにいる人はメンバーと 思っていいのかしら?」 「マリアさん達やビジネスパートナーや一恵さんや玲奈は違います」 「そうよね……もう私に隠し事無いわよね」 「はい、それで今日からキャシーにもガードが付きます」 「私に?」 「大丈夫です。普通のボディガードと違って 目立って側にいる事は有りません。 ただ何かあったら3秒以内に解決します」 「わかった、トイレで事件が怒らない事を祈るわ」 「はい、僕もそう思います」 〜〜〜〜〜〜〜 翌日亮は一恵と玲奈と由香達を連れて RRレコードへ赴きレコーディングの現場へ行くと 尚子とブルックがいた。 「亮!」 ブルックは亮に抱きついて人目をはばからずキスをした。 「あっ」 由香が声を上げると亮は慌てて言い訳をした。 「挨拶です」 「これから私もそうするわ」 尚子が言った。 「亮どうしたの?みんなと 一緒に」 「うちのブランドのタイアップをお願いです」 「いいけど」 「正式な契約なので」 「そうか…」 「プライベート用にもなるべく希望の 商品を作りますが、舞台衣装と公式な場では 絶対です。エージェントとよく話し合って決めてください」 「わかったけど、エージェントは亮でしょう。 マネージメントはRRレコードがやっているけど、後は任せるわ」 「そうか、最近の活動は?」 「あちこちでライブ。映像は撮ってあるから観て」 亮はブルックの喉の具合を診てOKを出して 一恵達を残してスタジオを出た。 「小妹、ブルックのボディガードを頼む」 「はい」 スタジオの外にロビンが来ていて、ハグをした。 「僕の行動よく分かるな」 「そりゃ、千沙子さんに聞いているから」 「そう言えば劉文明はうちの婿になって日本に住むそうだ」 「あはは、なかなかやるな」 「ロビンはどうする?」 「婿になるつもりはないが結婚をするつもりだ、 まあうちの仕事はリモートワークだから アメリカに住む必然はない、 それより亮はキャシーとどうする?」 「僕は今の所結婚の予定は無い、と言うか出来ない」 「もしも結婚したらマスコミがうるさいだろうな、 逆玉と言って騒ぎ立てるだろう」 「それより、闇鬼の組織を引き継いだ」 「ん?いくらで買った?」 「買っていないよ。維持費がいくら掛かるか計算している」 「殺し、やるのか?」 「いや、逆に正義の秘密結社になる」 「正義は儲からないぞ」 「そうでも無い、対ハッキング、ボディガードの 組織と忍者村と忍者学校なら儲かる」 「なるほど護る仕事か、出資するぞ」 「上場はできないから大儲けは出来ないぞ」 「いや裏と表を分けりゃ良い、表は警備会社、裏は闇鬼だ」 「そうだ闇鬼の名前、変えた」 「何だ?」 「ダーク・エンジェル」 「ダサッ!名前変更効かないのか」 「もう、無理だ」 亮は闇鬼全員にダークエンジェルの 名前伝えてしまっまたので、変更はきかない 「表の仕事は亮の会社がやれば良いか」 「それで、訓練施設は福島に作る忍者村、 忍者学校ででやる、既に文明が土地の買収を終えている。 その脇に映画スタジオを作るし、DUN製薬の工場を作る」 「そりゃいい」 「それでAIで歌の踊りを作りたいんだが」 「何、本当か?」 「ああ、難しいか?」 「いや、そんな奴がいると思って考えていたんだ。 まさか亮だったとはな」 「早速、作ってくれ」 「もちろんだ」 「明日からハワイ合宿に ダンサーや歌手の候補が来る」 「わかった。旅の準備する。帰るぞ」 「久しぶりにランチと思ったんだが」 「ハワイで食べよう夜は長い」 ロビンは忙しそうに帰って行った。
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