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「私亮に教えてもらうから良いわよ」
「亮は素人だぞ、しかも日本人だ」
他の練習生達はインストラクターに説明を受けていた
「じゃあ、僕は撃ってみます」
亮は無課金おじさんの様にズボン右手を入れて
的に向かって手を伸ばした。
「バーン」
弾丸は的の外側の青い部分に当たった。
「あっ」
後ろから観ていたジャネットとヘンリーが声を上げた。
「あはは、エアガンじゃないので片手じゃだめですね」
亮は両手に持ち替えて正面を向き膝を落として的を狙った。
「バーン」
弾丸はど真ん中に穴を開けた。
「凄い!練習生が声を上げた」
「ヘンリーやりましょう」
「ああ」
ヘンリーは的の真ん中に亮は時々真ん中を外していった。
二人が撃ち終えると練習生達が撃ち始めた。
全員が銃の反動で的に当てるのがやっとだった。
一方アメリカで育ったジャネットは的に
確実に当てていた。ボーズも様になって
美しかった。
ヘンリーが我が娘を褒めてトイレに行っている間に
亮は再び左手をポケットに入れ片手で6発連射した。
「パーン……」
それは全てど真ん中だった
「うん」
亮が納得するとジャネットと由香が後ろから見て目を輝かせていた。
「素敵」
「nice」
二人は同時に言った。
亮は二人に向かって口に人差し指を当てた。
「どうだ亮、私には敵わないだろう」
トイレから戻って来たヘンリーが自慢げに言った。
「はい、ヘンリーには敵いませんよ」
「でも、素人の日本人の割にはなかなかやるな、とこで覚えた?」
「ありがとうございます。こうして海外に出た時
射撃場に来てストレスを発散しています」
「なるほど」
由香を含めた練習生たちは当たる当たらないより、
銃の重さを体験して将来ドラマや映画で
その場面になった時は対応できるような気がした。
「亮ありがとう、勉強になったわ」
ジャネットが亮に微笑んだ。
「さぁ、ジャネット。ママ達と食事に行こう」
「はい、亮また明日ね」
ジャネットは手を振って
行った。
〜〜〜〜〜〜〜
「ジャネット、亮とうまく行きそうか?」
タクシーの中でヘンリーが聞いた。
「何が?」
「亮との関係だよ。ブルックに負けるなよ。
親友と言ってもライバルだぞ」
「うん、悩みを相談した」
「悩み?何かあるのか?
俺にも相談しろよ」
「芸能界の難しい問題だからパパでは無理、
亮でも難しいかもでも相談したから何かスッキリした」
ハリウッドの大物プロデューサーハービーには
日本人の亮などどうしようもなく、
ジャネットはハービーに従う覚悟をしていた。
〜~~~~~~
亮はキャシーのホテルに戻るとジャネットの話をした。
「プロデューサーのハービーね。色々な意味で有名だわ」
「セクハラですか?」
「それだけじゃなくて、外国映画の一部を
カットしたり、吹き替えのセリフを変更させたり
自分の制作した映画のライバル映画の
上映映画館の数を減らしたり
たくさん有るわよ」
「詳しいですね」
「うん、うちで映画館を沢山持っているから」
「どれくらいですか?」
「100くらいスクリーン数で500くらい、
亮は取締役になったから会社の情報は見られるわよ」
「そうか、ありがとう」
「そうかハービーをどうするかだね。
やはりジェシー・パーカーのお兄さんと会うべきだね」
「ウィリアム・パーカーか、連絡を取ってみます」
亮は一恵に頼んでアポを取ってもらうことにした。
「キャシー、ランドエステートって撮影所を持っているんですか?」
亮はランドエステートの
データを見ながら言った。
「ああ、父が映画好きだっので、
ロンドンとロサンジェルスとフロリダと
オーストラリアに撮影所を持っているわ、
CG全盛の今はあまり儲かっていないわ、
現場からCGスタジオを作りたいと要望書が来ていたけど」
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