第二章 悪の街

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二木と三雲は跳ねるように帰って行った。 亮はキャリーケースを引いて成田空港エクスプレスで 東京駅まで行き有楽町から 銀座まで歩いて亮の会社プラウの有るビルまで歩いた。 「ただいま」 亮は事務所に着くと中村がいつもの席に座っていた。 「お帰りなさい」 「一恵さんと玲奈さんは 返しました。2週間休み無しでしたから」 「そうですね。お疲れでしょう。私は母とゆっくりしました。ありがとうございます」 「中村さん、プラウの会社案内できていますか?」 「はい」 「会社にはどれくらいお金ありますか?」 「中村は預金通帳を見せた」 「えっ、こんなにあるんですか?」 「はい、劉文明様からの預かり金とビルの家賃、コンサルタント料、ラブポーションの売上、プラネット証券からの配当金です」 プラウは小規模の会社だが月の売上は数億円に達していた。 「問題は社長の収入です プラウの給料は未払いですが他の会社の顧問料や特許料が沢山あるので莫大な税金が掛かりますよ」 「わかりました」 それに対し亮はDUN商事グループの飲食店で食事をすれば無料。 交通費、スマフォ代は会社の経費、衣服代は美宝堂の 型落ちで激安、サプリはDUN製薬から無料で、使う費用は下着、靴下、ワイシャツ、クリーニング、食事の買物位だった。 「ダブルウイングをプラウの子会社にしたいんですけど」 「それがいいと思います。ダブルウイングは経費が掛かりそうですから」 中村が賛成した。 「そうですね、ダブルウイングの株を  プラウが取得しましょう。手続きお願いします」 「かしこまりました」 ~~~~~~~~~ 「亮です。今帰ってきました」 亮は飯田に電話を掛けた。 「亮か、久しぶりだな」 「はい、ちょっとお願いがあります」 「おお。どうした?」 「ご主人は農業に精通していとお聞きしました」 「ああ、農家生れの旦那は愛知県に 農業試験研究所と農業法人を作って作物の 研究と農作物を作って出荷している」 「ぜひ協力をお願いしたいんです」 「なんだ、今度は農業か ナチュラルグリルへの出荷の量を増やしたいのか?」 「いいえ、今度は砂漠地帯で農業指導を お願いしたいんです。今度は農業指導輸出です」 「どこだ?」 「アラブ王国です」 「あの国と契約ができるのか?相当な金が動くと言う訳だな」 「はい」 「分かった。面白いやろう」 「お願いします」 「明日、打ち合わせしよう」 「はい」 亮は電話を切った。 〜〜〜〜〜〜〜 「社長、おかえりなさい」 友子から電話が有った。 「ただいま」 「先日、アサド様からお金が振込がありました」 「ああ、1million振込んだと言っていた。株運用資金に」 「1millionドルは日本円で150億円ですよ。 年何%を利益を出せば良いんですか?」 「ああ、そんなにあるのか…任せるよ配当は気にしなくていい。大きな動きがありそうな時連絡する」 「分かりました。ちなみに先日のメキシコ関連株の 取引で120億円の利益が出ました」 「凄い、よくやりました。お疲れ様です。今度はアメリカの中堅航空会社注視して下さい。買収の動きがあると思います」 「分かりました。それでとこの国の企業が 買うんですか?そちらの関連株も買いますけど」 「それが日本の企業は非上場なので株は買えません」 「非上場会社が航空会社を買う資金があるんでしょうか?」 「そうですね、あるんじゃないですか?」 亮は知らない振りをした。 実際航空会社を買収する資金などプラウは無かった。 「分かりました、社名が分かりましたら教えてください」 「とりあえずJバイオ(バイオ燃料販売会社)の 売上が上がると思います。買収する航空会社は バイオの燃料を使うと思います」 「わかりました」
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