第二章 悪の街

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「亮さん、彼女に仕事を紹介してあげないんですか? グループ内に沢山あるんじゃないですか」 三雲が聞いた。 「今日あった人に就職を紹介する人なんていませんよ。 たったⅠ時間で彼女の事なんて分かりません」 「たしかに」 ラブポーションに付いた亮は二人を案内させて 店長の天地理沙に声を掛けた。 「すみません、あまり顔を出せないで」 「いいえ、亮さんも忙しいようですね」 「はい、メキシコとハワイに行ってきました」 「ハワイ良いですね」 「仕事でしたから遊べませんでしたけど」 「残念でしたね」 「売り上げは安定していますね。  ご苦労様です」 「ありがとうございます」 「アルバイトの定着率はどうですか?」 「はい、とても良いですよ」 「別荘を整備したので売り上げに関係なく 使えるようにしてください」 「上位の子じゃなくてですか?」 「はい、在籍3ヶ月以上なら使えるように  すれば良いと思います。条件は使用航空会社  限定ですけどね」 「分かりました。みんな喜ぶと思います」 「では僕も行きます」 「はい、楽しんでいってください」 〜〜〜〜〜〜〜〜 客席に行くと二木と三雲は ホステスとの楽しんでいた。 「遅くなって」 「いらっしゃいませ」 まだ会った事の無い二人のホステスが 亮に挨拶をしておしぼりを出した。 「お飲み物は何になさいますか?」 「シャンペンお願いします」 「えっ、シャンペンタワーをやるんですか?」 「いいえ、普通に飲みます」 「かしこまりました」 まもなくシャンペンがセットされた。 「もう一人いますのでお待ちいただけますか?」 そこにナンバー1のレイコが亮の脇に立ってお辞儀をした。 「いらっしゃいませ」 「こんばんわ」 亮が挨拶をするとレイコは脇に座った。 「お久しぶりです。社長」 水商売の世界は客は社長だらけで亮が ラブポーションのオーナーとは二人のホステスは 知らなかった。 「無事仕事終わった事を祝して乾杯」 六人はシャンペンで乾杯をした。 「今日仕事が終わったんですか?」 レイコが亮に聞いた。 「三週間休み無しでした」 「皆さん日焼けなさっていますが」 「メキシコとハワイです」 三雲は美しく落ち着いた雰囲気のレイコに答えた。 「まぁ、素敵海外なんて」 「遊びならいいですけど」 亮は仕事であることを誇張した。 「私もハワイに行きたいわ!」 「ぜひ行ってください。後で店長に聞いてください」 亮はレイコの耳元で囁いた。 「はい!」 亮は二人を楽しませる為に 大人しくし水割りを飲みながら、ホステスの動きを 観たり清掃状況などチェックしたりしていた。 天地理沙にとってはいい客では無い男だった。 「それからも後輩の指導をお願いします」 亮は封筒を渡した。 「ありがとうございます」 封筒を受け取ったレイコは深々と頭を下げた。 亮はチェックを頼むと 理沙は駆け寄ってそれを断った。 「お土産です」 亮は胸のポケットから箱に入ったウォレットを渡した。 「ありがとうございます」 おそらく、レイコに渡した封筒の中身5万円を レイコは二人に1万円ずつ渡すだろう。 もしも理沙にお金を渡したらスタッフで分けるだろう。 亮は理沙がそうしないように商品渡した。 相手と目的によって使い分けるの 御礼だと亮は父親に習った。 「亮さん次はどうしますか?」 二木と三雲はほどほどに酔って上機嫌だった。 「うん、静かな店で話をしよう」 「はい」 三人はカフェバーのテーブルを囲んだ。 「2週間若い女の子に囲まれて溜まっているでしょう。 これから女の子を買ってもらいます」 「えっ」 二人は突然上司に言われて唖然とした。 「あはは、実は…」 亮はトーヨコから新大久保に向かう道に 立っている少女達の話をした。 「それは由々しき問題ですね」 「はい」 亮は少妹を使って地下アイドルに少女達が 深みにはまって行く形を調べさせる計画を話した。
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