第二章 悪の街

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「えっ、小妹さんが女子高生ですか!」 二人は驚きを隠せなかった。 「その顔小妹の前でするなよ。殺されるぞ」 「はい。もちろんです」 二人は小妹の強さを知っていた。 また丸山彩香、坂井えりな を例に上げダンススクールで罠にはまって 行く事を話した。 「あの二人やっぱりそうでしたか」 二木が答えた 「やはり怪しかったですか?」 「はい、やたらみんなと K-POPのダンスの話をしたり踊りを教えたり していました」 「なるほど」 亮は財布から10万円ずつ二人に渡した。 「とりあえず見せ金として渡します」 「それでどうすれば?」 「少女の年齢を聞いて18歳未満だったら 止めてください。関係を持ったら逮捕されます」 「了解です」 「冷やかしと思われて万が一ヤバい連中が 出てきても二人の事ですから大丈夫でしょうが、 直ぐに僕に連絡をしてください。 管理売春の罪で逮捕できます」 「手錠いりますか?」 「亮さん手錠持っているんですか?」 「はい」 「な、なぜ?」 二人は首を傾げた。 「言っていませんでしたか?」 「はい」 亮は身分証を上着のポケットから取り出した。 「あっ、えっ警視」 「本物ですよ」 「なぜ」 「警察庁警備局に所属している、原局長の元に働く 秘密捜査官です。 直属上司は原美咲さんですけど」 「原さんが上司!てっきり良い仲だと  思っていました」 「それで原さんダークエンジェルの 事を知っているんですか?」 「もちろん知りませんよ」 「ですよね。スゲー」 二木と三雲が顔を見合わせた。 「亮さん今度、誰が誰に何が秘密だか教えてください。 間違うといけないので」 「はい、まぁ、どちらにしろ、我々は正義の味方です」 「そ、そうですね」 二木と三雲は正義の味方と言う 言葉に鳥肌がたった。 「さて、行きましょう」 それぞれメガネ型の動画カメラを掛けて トーヨコとラブホテル街、大久保公園に 分かれて少女に声を掛けて行く事にした。 ~~~~~~~~ その頃、鈴森あかりは歌舞伎町一番街のパブで AV男優の鈴木大吉と会っていた。 「やぁ、あかりちゃんからお誘いを 受けるとは思わなかったよ」 芝居と言え互いに裸で全てをさらけ出す関係で 友達のように馴れ馴れし話し方をした。 「今日は相談が有るのよ」 「あかりちゃんの頼みなら出来る事 なら何でもやってあげるよ」 「そう、ありがとう。御礼はするから」 鈴木は御礼と聞いてニヤニヤ笑った。 人気セクシー女優の売れっ子で専属となれば 月一回の出演でギャラが200万円から300万円 プロダクションがマージンを取るが危険なこの世界 安全が保証される。 また、映像2次使用としてベストバージョンが 発売時には別途出演料が支払われる。 その他には撮影会や風俗店での仕事を含めると 月収数千万円、年収は億を越える女優もいる。 従って質素な生活をしていれば預貯金は億の人気女優もいる。 鈴森あかりもその一人で 鈴木も十分それを知っていた。 「なになに、ホストとのトラブルかな?」 「ううん、もっと真面目な話、誰にも内緒にしてね」 「大丈夫、これでも元警察官だから信用して」 「うん、信用する」 あかりは亮の様に想いを鈴木に話した。 「へぇ、あかりちゃんえらいね。方法は考えて見るよ」 「良かった」 「あかりちゃんとプライベートでやって見たかったんだ。いいでしょう」 「うん、良いよ」 「それと色々と動くのに警察時代の仲間に 声をかけなくちゃいけないんだ」 「そうだね」 あかりは50万円を入れた 銀行の袋を渡した。 〜〜〜〜〜〜〜〜 真面目な二木はトーヨコにいる。 若い女性に声を掛けた。 「こんばんわ」 「こんばんわ、何?」 「ええと…」 二木は女性の強い態度に 言葉が詰まった。 その間に女性は周りを見ると、男たちが集まってきた。 「兄さん、ナンパか」 「い、いや」 「じぁ、あっち行けよ」
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