第二章 悪の街

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「いくつ?18歳」 「なら大丈夫だね」 「うん」 三雲は上手く行ったと思ったが目的は ホテルでやる事では無い。情報を取る事だが2週間の うっぷんが三雲を興奮させていた。  少女の美人局の被害も多発していて 三雲は後ろを警戒しながら歩いた。 ホテルに入り空き室6200円のパネルボタンをキーが 落ちてきてそれを持って502号室に入った。 三雲は直ぐに3万円を渡した。 「ありがとう」 わかばは小さなポシェットにありがたそうに3万円入れた。 「ねぇ、怖いお兄さんに ショバ代払うの?」 「えっ…払う1日5000円、どうして?」 「いや、全部収入じゃないんだ」 「でも怖い目に遭わないから」 「そうだね。僕じゃ無かったらいくらなの?」 「5万円の時も有るよ、酔っ払ったスかケベオヤジ」 「あはは」 「お風呂入れてくるね」 わかばの話し方、仕草は 練習生と同じだった。 「ねぇ、わかばちゃん本当の年幾つ?」 「えっ…17」 わかばはうつむいた。 「そうか、しばらく話をしたら帰ろうか」 「えっ、しないの?」 「うん、法律は犯したくない」 「じゃ、お金返す」 「良いよ」 わかばは良い子だった。 どうせ自分の金じゃないし 三雲は微笑んだ。 「サスケさん警察じゃないよね」 「うん、昨日までハワイで仕事していた」 「道理で色が黒いと思った。何の仕事していたの?」 「運転手と雑用」 「そうかいいなあ、ハワイ」 「いいところだよ。高校生?」 「うん、一応」け 「ちゃんと行っている?」 「行っているよ」 「どうして今仕事しているの?」 「どうしてもお金欲しいんだ」 「ホスト?」 「ううん。地下アイドル」 「そうか、推しがいるんだね」 「そうわかった?」 「まぁね」 「いつまでもこんな仕事、安定していないし雨が降ったら大変だし」 「そうなの、だから今度グラビアモデルの 仕事を紹介してもらう事になったんだ」 「そうなんだ」 わかばは目が大きく幼顔をしていて身長の割に胸が大きかった。 「じゃ水着かな?」 「うんロケでグァムやハワイに行くって、ギャラもいいらしい」 わかばは目を輝かせて言った。 これが亮の言っていた、 少女をAVの世界に陥れる罠だと三雲は感じていた。 「サスケさんまた会おうよ」 ホテルを出るとわかばは 言った。 「18歳になったらな」 「そうか、そうだよね」 「気を付けて帰れよ」 「ありがとう」 「三雲です。俺の立場では何も言えませんが、 もし近くに誰がいたら今俺と別れた 少女を尾行していただけませんか」 三雲はイヤフォンマイクでダークエンジェルに向かって話をした。 しかし、三雲のイヤフォンマイクには何の返答も無かった。 「やはりだめか…」 三雲は肩を落とした。
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