はじめましてとただいまと

　和樹と初対面してから3ヶ月。
　悟と正美は定期的に和樹と面会している。
　そしてその間……夫婦はある考えに。

　それは『正式に和樹を養子として』迎える事だ。

　悟は両親が他界しているので、親族で反対する者はいない。
　由奈の伯母の明子は驚きつつも、賛成してくれている。

　問題は正美の家族だ。

　両親共に猛反対。
　『実の子を育てるのも悩みが多いのに、血の繋がらない子なんて』
『悟さんはまだしも、正美には縁もゆかりもない子供。それなら不妊治療のお金は出すから治療してみては？』

　正美はうんざり……。

　兄は『妹が決めたことなら』と認めてくれて、兄夫婦も両親を説得してくれた。

　そして、両親が正美の熱意に折れる形で認めてくれて、正美と悟は和樹を迎える準備をはじめた。