はじめましてとただいまと

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 すでに乳児院の責任者から、書類を受け取り『特別養子縁組』の手続きを済ませたふたり。  そして和樹を迎えに来たふたりは、乳児院の応接室に案内された。  緊張する正美……。  それは悟も同じだ。  これからは和樹の人生に責任が伴う。  -コンコン-  ドアをノックする音。  扉が開き責任者と、和樹を抱っこしたスタッフが部屋に入ってきた。 「さあ和樹くん。お父さんとお母さんが迎えに来ましたよ」  「それでは……和樹くんの事をよろしくお願いします」  スタッフから和樹を託され、抱っこする正美。 「正美ちゃん。先に車を持ってくるから」  悟は先に応接室を出て、駐車場から乳児院の玄関まで車を移動させた。  車の後ろの座席には、新品の『ベビーシート』  自宅にはベビーカーやベビーベッドなど用意されているが、それは兄夫婦から譲られた物が大半だ。それは『子供にお金がかかるから節約できる所は節約した方がよい』と言う兄夫婦の好意でありがたい。  和樹をベビーシートに寝かせると、正美もシートベルトをした。そして、やさしい眼差しで……。 「和樹くん……おうちに帰りましょう」  見送る乳児院のスタッフに会釈をして、車は出発した。      
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