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……ただ、それにしても……結局、何もなかった。夕食をご馳走してくれて、他愛もない話をして、一緒に少しゲームをして、少し勉強に付き合って――ただ、それだけ。結局、何の要求もされていない。だったら、いったい何のために僕を――
「――まあ、仕方ないか。無理にとは言えないし。じゃあまたね、陽真さん」
「……あ、うん、また……」
すると、困惑の最中ふっと微笑み別れの挨拶を口にする里李さん。……じゃあまたね、か。だとしたら、要求は次回以降ということに――
「――あ、そうだ陽真さん。一つ言いそびれてたんだけど、次からは――」
「…………へっ?」
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