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棚上げ
「――あ、おかえり陽真さん!」
「……うん、その……お邪魔します」
それから、一ヶ月ほど経て。
夕さり頃、呼び出しに応じ訪れると、やはり変わらぬ笑顔――そして、変わらぬ文言で迎えてくれる清麗な少女。これが、だいたい週に3、4日――なので、ゆうに10回以上は彼女のもとを訪れているわけで。
そして、その間一度も金銭の要求はなく。ただ、頻繁に呼び出されるだけ。夕食を共にしたり、他愛もない話をしたり、一緒にゲームをしたり、勉強に付き合ったりといった日常的な……それでいて、僕にとってはこの上もなく安らぐ時間をただ過ごしていただけで。
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