……まあ、流石に分かったけどね。

1/2
前へ
/23ページ
次へ

……まあ、流石に分かったけどね。

「……貴方は、あの写真の……」 「はい。……軽蔑、しますよね。とうに成人の身でありながら、高校生と交際なんて。大人としてのモラルを疑われても致し方ありません」 「あ、いえ、そんなことは……」  暫く唖然と―― まあ、私もだけど――唖然としていた校長だったけど、自嘲するような陽真(ようま)さんの言葉に少し慌てて否定の意を……おぉ、やるなあ陽真さん。真っ赤な嘘なのに、こうもほんとっぽく演じてみせるとは。  だけど……いったい、どういうつもりなのだろう。恐らくは、どういう経緯か私の件――あの画像の件を知ってこうして来てくれたんだろうし、それは嬉しいのだけど……でも、自らが恋人と名乗ることにいったい何の意味があるのだろう。正直、自分の首を絞める結果になるとしか―― 「……ですが、学校長。この場をお借りして、一つ申し上げたいことがあります。私は、彼女――此島(このしま)里李(さとり)さんと、結婚を前提にお付き合いをしています」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加