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「………………」
すると、何とも真剣な表情で紛うことなき大嘘を宣う陽真さん。いやいや、結婚を前提にも何も、お付き合い自体してないし。ともあれ、そんな彼に対し――
「――ああ、そうでしたか! ええ、それは素晴らしいことです! これからも、我が校の生徒を宜しくお願いしますね、降崎さん!」
「……暖かなお言葉、痛み入ります学校長」
弾かれたように目を見開くやいなや、笑顔で彼を褒め称える校長。そして、責めるような物言いをして申し訳なかったと私に謝意を述べる。かくして、これ以上の追及もなく今件はあっさりと幕を閉じた。……まあ、流石に分かったけどね、私でも。
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