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「――お待たせ、陽真さん。ハンバーグで良かった? まあ、もう作っちゃったけど」
「あ、うん、もちろん……でも――」
「……もしかして、嫌いだった?」
「ああいや、そういうことじゃなくて! その、大好きです」
「そっか、良かった」
それから、およそ20分後。
嫌いだった――そう、不安そうに尋ねる里李さんに慌てて首を横に振り答える僕。……いや、僕の戸惑いはハンバーグが気に入らなかったとかではなく、どうして僕なんかのために――
……あと、ほんとに何もしなくて良かったの? 僕。いいから座ってて――そう言われたので、ついついお言葉に甘えてしまったのだけど……うん、ほんとに申し訳ない。
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