ドッペルゲンガー?

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「いや誰って…。だから僕はキミのドッペルゲンガーで…」 「似てねえよ! 似てるのは学校指定の制服だけだろ!」 鏡見てこいよ! 100点満点中10点だよ! 「やれやれ。テンパって周りが見えていないようだね。どこをどう見てもキミそのものだろう?」 「じゃあズボンの下見てみろよ! あるかないかで全てが決まるから!」 俺の言うことに従って、ドッペルゲンガーとやらはこっそりとズボンの中を覗いてみた。 「…………」 えらく長く見続けてんな…。 どうしたんだろう。 「あーちょっと待ってね。もうちょっとで見つかりそうな気がするから」 「ねえんだろ⁉︎ 正直に言えよ!お前は失敗作なんだって!」 「失敗作と言うな! "私は"男だ!元男の子だ!」 一人称から切り替え早っ! 「キミがこの世から消えたら、私はこれからニューハーフとして生きていこう! これなら違和感なくなるだろう?」 「あーヤバい!死ぬ気が失せた! お前みたいな異物と代わったらうちの親や周りはどう思うかと考えると俺の内なる死にたい気持ちが一気に消えちまったよおい!」 「そんな!考え直せ!お前は死にたかったはずだ!誰にも認められない世界が憎かっただろう? 『お前が生きたいと思った今日は、昨日もずるずる生きてしまったと人が後悔した明日』なんだよ!」 「どっかで聞いたことあるようなセリフを真逆にして使うな!」 俺は生きる! お前に代わるくらいなら死んでも生きる! だからその手を離せ! 俺の背中を押してくるその手をどけやがれ! 「でりゃあ!」 「うわぁっ」 普通に振り解けて吹っ飛ばすことができた。弱っ。 女の子姿の俺、弱っ。
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