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「ふ…なかなかやるな。本物とはいえこのドッペルゲンガーを力だけでねじ伏せるとは…」
男女比の筋力はかなり違うものがあるからね…仕方ないよ。
「どうやら物理的ではなく、精神的に追い詰める方が良さそうだねぇ」
急に悪そうな顔してきたぞコイツ。
何企んでやがる…!
「キミ、好きな子がいるみたいだねぇ。名前は確か暗本彩乃か。
いつも休み時間ぼっちで図書室にいるキミ同様の陰キャちゃん…」
くっ…何でコイツ知ってやがる…!
「キミの思考も私はちゃんとコピーしてんのさ。ドッペルゲンガーなんだから当たり前だがね」
くっ…外見から失敗してる分際の癖に…!
「それではさらばだ進くん。私がその子に告白して、見事玉砕されてキミの居場所をなくしてあげるよ」
ヒヒヒ、とドペ女は笑いながら一目散に屋上から去った。
「あっ待ちやがれ!」
俺も奴を追って屋上を後にした。
くそ、早過ぎる!
華麗に階段を降りては華奢な身体を活かしてまだ下校途中の生徒の間を速度を落とさずくぐり抜けやがる。
誰かアイツを止めてくれー‼︎
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