帰るばしょ。

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カラスが鳴いて、太陽が徐々に傾き始める。オレンジ色の空って、凄くきれい。黒く伸びた2つの小さな影は、ゆっくりと坂を登っていった。 「お姉ちゃん、おんぶして。」 突然、マヒロがおねだりをしてきた。 「いやっちゃ、マヒロおんぶして坂登るんはキツイもん。」 私が断ると、マヒロが思いっきり口をへの字にする。そんな顔をしてもダメ。自分で歩いて。 しばらくマヒロは自分で歩いてたけど、坂の中腹でとうとうしゃがみこんでしまった。 「マヒロ?」 「お姉ちゃん、おんぶしてっちゃ。ウチ、足が痛いんよ。もう歩けん。お姉ちゃん、おねがい。」 マヒロはこう言ってポロポロ泣き始めた。 えええ〜…泣かないでよ。 「もぉ泣かんでや。ほら、おいで。」 こういって私がしゃがむと、マヒロは真っ赤にした目をゴシゴシこすりながら、私の背中におぶさった。9歳が7歳を背負って坂登るのはきついって。 「私が疲れたら降りるんよ?マヒロ、聞いとる?」 「……っ。」 マヒロは一回泣くと、だんまりになる。 全くもう。 私はマヒロを背負ってまた歩き始めた。
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