帰るばしょ。

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マヒロの重さ分、私の歩みは(のろ)くなって、そうしてる間に太陽はどんどん沈んでいく。マヒロの体温で背中にビッショリ汗をかきながら、私は少しだけ焦ってきた。 「暗くなってきとるやん!はよ帰らなヤバいっ、」 マヒロを抱え直して、私は坂の先を見た。ああ、なんか頭がクラクラしてきたぞ。公園でたくさん遊んだ後に、マヒロをおんぶして坂登ってるから、体力的にキちゃってるのかも。 「マヒロ、歩けそう?」 「…無理、足痛い。」 「ええ〜〜〜〜…もう…、」 息が切れる。自分の体温とマヒロの体温が重なり合って、まるで発熱してるみたい。汗で体がベタベタ。早くお風呂に入りたい。でも、まず先にお父さんとお母さんに叱られるかな?どうしてこんなに遅いの!って。 ようやく坂を登りきって、おじいちゃんの家が見えてきた。おじいちゃんの家は、2階建ての一軒家。玄関の前には松の木が植えられてて、それが目印。 「あっ、」 玄関の前に人影が。徐々にその人影がハッキリ見えてきて、私は思わず口を開いた。 「おじいちゃん、ただいまー!」
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