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普段だったら、おじいちゃんはニコニコ笑顔で私達を出迎えてくれるのに。
なのに、今日は違った。
「帰れ!!!」
おじいちゃんは鬼の形相で私達に一喝。
どういうこと?遅くなったらから怒ってるの?
「おじいちゃん、ごめんなさい、」
「はよう帰れ!!!」
おじいちゃんはもう一度怒鳴った。私は意味がわからなくて、怖くて、涙が出てくる。
「お、おじいちゃん?ごめんなさい、家に入れてや、」
「ならん!はよう帰れ!!!」
「マヒロが足が痛いって言っとるから、」
「そんなことは関係ないんじゃ!!帰れ!!」
だって、ここが家なのに。
お父さんとお母さんだっているのに。
怖いよ、おじいちゃん。
「おじいちゃん、ごめんなさい。家にいれて、」
「駄目じゃゆうとろうが!!はよ帰れ!!寄るな!!!」
おじいちゃんに強く怒鳴られて、パニックになった私はクルリと家に背を向けて、もと来た道を歩き始めた。
なんで?
どうして?
なんであんなに怒ってるの?
なんで家に入れてくれないの?
怖いよ、空が怖いよ。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、足痛い、怖い、」
マヒロも泣きながら私にしがみつく。
私だって怖い。
帷の降りた空が、私達を睨んでる。
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