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『ホント人間って低俗よね。こんなヤツら自滅してしまえばいいのよ』
女神は手当たり次第に辺りの音を入力し、次々と変調をかけてゆく。
世界は様々な雑音で満たされる。
「ギュンギュン!」
「ジュイイーン!」
『ああ、最高! さすがモーク社のアナログシンセね。この腹に響く太い音がたまんないわ!』
「ゴボボッ!」
「グワッ!」
コミュニケーションツールを失った人々は互いに疑心暗鬼になり、相手に襲いかかっている。
中にはまだ変調をかけていないにも拘らず、訳のわからない言葉を叫び、意味もなく相手に殴りかかっている者さえいる。
『人間ってどうしようもないわね。私が操っているのは音だけ。これは人々がその内に孕んでいる邪悪さからくるもの。全ての元凶は自分達自身にあるのよ』
女神はそう呟くと、ふわりと舞い上がった。
『さて、そろそろ仕上げといきましょうか』
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