君は月

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君は月

「君は月だね。僕は海だ」と彼が言った。 「月は海面に映るけど落ちてこない。引力で引き寄せるけど月までは届かない」  まどろっこしいから言い換えてあげる。 「君のこと好きに近いけど好きって言いきれない。でも手放すのは嫌。だからキープさせて」  そしたら彼が笑うから、手を繋いで帰ることにした。
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