靴底
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靴底
「我慢すればよかったのに」と口にして、言ってしまったと思った。 君は奥歯にある虫歯の痛みを堪えるような顔をしていた。私はたまらずスニーカーのつま先に視線を落とす。 息を吸う音。多分何か言おうとした。でも。君の靴底がザッと音を立てコンクリを擦る。 顔をあげる。君は振り返らなかった。
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