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伸び切った下草に、舌打ちをしては、別の道はないのかと聞いてくるし、ションベンがしたいだの、休憩したいだの、とにかく注文と文句が多かった。
案内しろと言われてるので、人が入れる場所を歩いているのだけど、視察になってるんだろうか。
そんな疑問を抱きつつ、僕たちはとある場所にやってきた。
足繁く通ったせいか、すっかり踏みならされていて、骨でもいいから残ってないかと、這いつくばったせいか、下草も周囲より低くなっている場所だ。
忘れもしない。
父が命を落とした場所。
僕にとっては、意味のある場所ではあるけれど、林の中の一部でしかない。
視察中の彼には、なんの興味も湧かないだろうなと思い、さっさと通り過ぎようとしたら、なぜか彼は足を止めた。
「ああ、ここだな、間違いない」
言葉の意味がわからず、僕は思わず振り返った。
すると彼は、饒舌に語りだしたのだ。
彼の中の、武勇伝を。
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