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え、何それ怖い。
でも確かに、新しい技術が生まれるたびに、それに対応した怪談が生まれてるよね。
呪いの手紙はチェーンメールになったし、ネットを通じて暴れる怪異が出たっておかしくはない。
私が1人で納得してたら、怪異さんが動画を見せてきた。
『見てちょうだい。怪異仲間が作った呪いの広告よ』
「ちょ、やめて……」
<<私はミカ! 大好きな彼氏にデブは無理って言われてフラれてしまいました。悔しさのあまり禁術に手を出してしまい……>>
早口で流れる広告、ヘタクソな漫画、そしてムカつく設定。
「うわマジかよ」
定番のウザ広告、もはや恐怖を感じる。これは呪いだわ。
『だからスマホを買ってみたんだけど……』
この怪異さん、いくつなんだろ。きっと適応できた怪異は一握りで、その裏にはこんな出来事が無数にあるんだろうな。
「無理しなくてもよくない?」
『ダメよ! もはや私の噂をするのは、お年寄りばかりなのよ。このまま単なる山の怪異で終わりたくないの!
ところでアカウントってなんなのかしら』
ダメだこりゃ。でもここで出会ったのも何かの縁、教えてあげるか。
私はアカウントを作ってあげて、ログインのやり方も教えた。
「コメント欄に出没するのはどう? ここを押して、ここに文字を書くの」
『それならできるかもしれないわ! ありがとねお嬢さん!』
怪異さんは嬉しそうに笑って、消えてしまった。
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