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その夜。
客間で寝ていたら、コツコツと窓を叩く音が。ここは二階、間違いなく人じゃない。
窓を見ると、白い拳が窓を叩いていた。あの怪異さんだ。ああ、またログインできなくて困ってるのかな……。
すると白く不気味な顔が、ヌッと現れた。
『この国は宇宙人に支配されているわ! 闇の組織が情報をコントロールしてるのよ! 動画で見たのよ!』
「怪異のくせに陰謀論にハマるなーーーーー!』
その翌日。
「昨日の夜はごめんなさいね……」
山に様子を見に行ったら、怪異さんがしょぼくれた顔で待っていた。
「ああいうのに騙されちゃダメだよ。ネットは嘘も多いからね!」
「反省してるわ。考えてみれば宇宙人なんているわけないものね」
怪異はいるけどね。
「恥ずかしいわ……スマホひとつわからないなんて」
「そんなことないって!」
私は怪異さんの腰を叩く。肩は大きすぎて届かないから。
「挑戦するっていいことじゃん。頑張って!」
すると怪異さんは微笑んだ。
「ありがとう。それで思ったんだけど……」
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