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第一章第二の世界とピーチファミリー
そして着いたのは勤務している駅だった。父は非常用扉に入ると、室内の何でもないような壁を指先で押した。すると、怪物の唸り声のような重低音が響いて、床が下に下がっていった。辿り着いた地下にあったのは、電車の格納庫だった。
「秘密基地的なのが出てくると思ったんだけど…。」 「まあ、見てな。」
父は一つの電車の操縦席に座ると、何かボタンを押した。すると、鉄が擦れ合う音がしながら電車は人形になって二足で立った。桃郎は目を丸くした。電車から声が聞こえ手くる。
「国としてはこの誘拐事件に屈するわけにはいかないんだ。だから、政府公認の民間戦闘組織を動かす必要があった。」
「なるほど。」
「ちなみにこのロボの名は、山手線DXだ!」
え…ダサい…。
母も乗車する。
「これは常磐線EXよ!」
どうしよう…これ誰が名付けたの。
妹も乗車する。
「これは一縷ののぞみくんよ!」
一周回ってかっこよくなってきた…?いや、なってないか。でも、車体自体は格好いいな。新幹線のロボもあるのか。
父が言う。
「君も是非これに乗って少女を救うんだ!」
もうどうにでもなれ。僕は逃げないぞ。
「はい!行きます!」
合計十体のロボは地上へ上がり、鬼の里にやってきた。そこで迎え討つは五二十mクラスの鬼たち。二者は数分いがみったまま動かなかった。様子を伺っているのだ。
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