第一章第二の世界とピーチファミリー

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第一章第二の世界とピーチファミリー

 そこに、声が聞こえてきた。 「待ちなされ!」 見えたのは老鬼。 「話を聞きなさい。」   老鬼と家族四人と他の鬼三体で話し合いが行われることとなった。 老鬼が話す。 「わしは親日派の鬼じゃ。鬼というのにも種類があってな。ほとんどは親日派なんじゃ。今回の事件は強硬派がやったものじゃ。しかし、鬼を代表して今回のことは詫びる。」   この言葉を皮切りに、話し合いが進んだ。それはとても建設的なものになった。分かったこと、決まったことは、鬼は皆自分達の土地が欲しいだけだということ。誘拐犯は戦争犯罪人として裁かれるということ。少女の開放。 これまで一度も話し合いがなかったのが原因だったんだ。話せば分かり合えたはずなのに。これで良かったんだ。桃郎は思った。そして彼は老鬼と握手をした。 後に鬼代表と首相が話し合い、和解し、日本は二種族混合の国となった。  数日後、ヤクザの本部。長の椅子には誘拐された少女の姿があった。ちっと少女は舌打ちをした。顔全体に怒りのしわが出ている。 そして彼女は変身した。変身魔法が解けたのだ。もう以前の面影はまったく無く、焦げ茶色のオオカミの被り物をしている。体格は一般成人男性ぐらい。体から闇のオーラを発している。 ✕ ✕は気づいていた。世界が変わったことに。裏の世界を牛耳る彼にとって鬼は大変邪魔な存在だった。だから自分が少女に変身して、わざと捕まり、日本に鬼を殲滅させる計画だった。はあ。鬼の協調性をなめていた。こうなったからには計画を練り直す必要がある。しかし、何故世界がこうなった?まさか、はるか昔に落としたあれが原因か?ありえない。いや、完全支配において少しの可能性でも無視はしてはいけない。それも視野に入れよう。室内で並んで兵隊のように真っ直ぐ立っている二十人のヤクザに一つ命令をした。二十人は顔を動かさず、きれいに一斉にはっ!と答えた。 第2章へ続く。
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