第二章 第三の世界とパラレルパラダイムパラダイスパラパラパーティー

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第二章 第三の世界とパラレルパラダイムパラダイスパラパラパーティー

 本を開けてみる。するとその瞬間、某魔法映画の初めて杖を持ったシーンのような、本の中がまばゆい光を放ったような気がした。しかし、それは一瞬のことで、木のせいにも感じられた。この本の中身は白紙だった。裏姫は不思議に思ったが、人を待たせているのでとりあえずこの場を去った。  事の一部始終を、隅から黒いアマガエルが見ていた。  特に変わったことも無く数日後、今度は昼間、内緒で近くの海岸に出かけた。その時、3人位の子供のがカメをいじめていた。 「こらー!やめないと私がお前達を食っちゃうぞー!」 子供達は驚いて逃げていった。 「うわあーん!親父にも怒られたことないのにー」 「妖怪人喰いこらー!だー!」 「ぐすっおあら走れねえだよー待ってくれー」  「一昨日来やがれ!」 それにしても妖怪なんているわけないのに。   カメはこちらを向いてお辞儀をした。こちらもお辞儀をした。カメの大きさは大人のウミガメくらいだ。 「助けてくれて感謝する。」 「ええ!」  裏姫は目を丸くした。カメが喋った。 「驚くのも無理はないだろう。我は竜宮城の主と親友でな。恩返しのためにもてなしたい。そこへ招待する。」 カメが律儀だ!そしてありがたい! 「はい!喜んで!」  裏姫は水中でも息が出来るようになるという昆布を食べ、カメの背中に乗って海底へと進んでいった。  見えてきたのは、まさに城と言うべきものだった。外壁は真っ白で、全長は優に三十mを超えているだろう。荘厳だ。カメが中まで案内してくれた。すると中は、たくさんの海底人が泳ぎ回っている。海底人は一見普通の人間だが、よく見てみると、水かきなど、魚の特徴もあわせ持っている。
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