第6話 英雄ルーク・ラビスタ

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「素材とか拘りすぎなんじゃない?  私は良いけど、ルー君みたいな子供が手が出せないよ」  リリアさんがルルさんに指摘する。お洒落の拘りと価格のバランス取りは難しそうだ。 「そうかもね。低価格のラインも必要か。  あたしはルル。リリアの姉だよ。  女の子へのプレゼントだよね?  ドレスは厳しいけど、こっちに少し価格の安い商品があるよ」  ルルさんが案内してくれたのは、アクセサリーの並ぶ一角だ。ブローチ類や髪留めなどが並んでいた。  僕は、髪留めが気になった。  バレッタ、バンスクリップ、シュシュなど聞いたことがない名前が並んでいるけれど可愛らしいデザインのものばかりだ。  ソフィアは、肩に届かないくらいの長さの髪をヘアゴムで留めていることが多い。その代わりになるものなのだろうか。  僕は、リリアさんとルルさんに使い方などを教えて貰いながら商品を吟味する。  リリムさんが話していた通り、僕でも何とか手の届く価格帯の商品が多い。  僕の目を一際惹きつけたのは、三日月の形をしたバレッタクリップだった。 「三日月のムーンバレッタね。シンプルだけど可愛いでしょ。あたしがデザインしたけど結構お気に入りなんだ。元気な子に似合うよ」  これ1つでも、貯めたお小遣いを大半使ってしまう値段がする。だけど僕は、 「こ、これくださいっ」  思い切り叫んでいた。 「ありがとう。プレゼント包装はサービスするね。あとメッセージカードもサービスするから、伝えたい言葉を書いてみて」  ルルさんが優しい笑顔で応えた。
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