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「ルー。そろそろ行くぞ」
「うん」
家の外へ出たじいちゃんが僕について来るよう促した。
難攻不落のダンジョンを突破し、錬金術師の遺跡へ到達した英雄ルーク・ラビスタは、白髪の混ざった赤髪に、燃えるような強い意志を感じる赤い瞳、60歳の今なお冒険者として活躍できる筋肉を蓄えている。
壁に立てかけてある大剣を構えれば最強の魔法剣士(ウィザーズ・スレイヤー)になり、仲間想いで、どんな困難も切り抜ける勇気を持つじいちゃんは、英雄パーティのリーダー的存在だったという。
僕の自慢のじいちゃんだ。
今日は、幼馴染の見習い錬金術師ソフィアの誕生日パーティーがある。
古代遺跡にまで到達したじいちゃんがダンジョンで入手した宝は、錬金術師にとって希少な素材や錬金術師書だ。
同じ歳の幼馴染ソフィアがいる錬金術師一家ニュルブルク家とは、昔から家族ぐるみの付き合いをしていて、僕はじいちゃんが冒険に出かけている間は、よくソフィアの家に通い、世話になっていた。
そんなこともあり、両親に溺愛されるソフィアの誕生日パーティーには毎年呼ばれていたのだ。
「よっと……」
じいちゃんが背負った荷物袋には、家裏の畑や養鶏場で収穫した食材が入っている。
パーティーへのお土産だろう。
僕は、自分の荷物袋に買ったばかりのプレゼントをしまった。
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