星の欠片を集めて

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夜空に輝く無数の星。 その中でもひときわ明るく、美しい星が一つありました。 その星は『夜空の女神』と呼ばれ、人々の願いを叶える力を持っていると言われていました。 しかし、ある日の事です。 その星が突如として砕け散り、空から消えてしまいました。 村の人々は困惑し、悲しみました。 星の力で守られていた村は、不運に見舞われてしまうと考えられたのです。 やがて村では病気が広がり、作物は枯れ、人々の顔からは笑顔が消えていきました。 そんな中、一人の少年が立ち上がります。 「僕が星の欠片を集める。そして村を救うんだ……!」 少年は『夜空の女神』を探す為にカンテラを手にして、夜ごとあちこちを探し歩きました。 星の欠片は、どこに散らばっているか分かりません。 それでも、きっと星なのだから夜には光ると思ったのです。 「星の欠片を全て集めて元に戻す事が出来れば、村に再び平和が訪れる筈だ」 その一心で、毎日毎晩。 朝日が明るく世界を照らすまで、少年は頑張りました。 やがて、その少年の友達がカンテラを持ってやって来ました。 「お前が無駄な事をしてるの、もう見てられねーよ。仕方がないから、オレも付き合ってやる」 その日から、星の欠片探しは二人になりました。 また別の日。 今度は、村の青年もカンテラを持って二人の元に来ました。 「……子どもだけにやらせるのは、大人としてカッコ悪いからな」 更に別の日。 「私も探すのを手伝うよ。やっぱり、捜し物は人手が多い方が良いもんね!」 こうして、星の欠片探しのメンバーは日に日に増えていきました。 そして明け方になると、皆は村の丘へと登って『その晩の成果』を報告します。 いつも良い結果はありませんでしたが、それでも諦める者はいませんでした。 やがて、何日も経った頃……。 夜泣きの子どもをあやしていたお母さんは、丘へと集まる皆を見て思いました。 「カンテラの光が、まるで星の欠片みたい……」 丘へと集うその光は、もはや『夜空の女神』以上の輝きを放っていました。 翌朝、その事を話すと。 人々の顔に、笑顔が戻りました。 『夜空の女神』は、今も見付かっていません。 けれど村は皆の光に守られて、今も輝き続けているのでした。
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