第二幕

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救急車のサイレンが、頭に響く。 「―――お母さん!」 目を開けば、寝室のベッドの上。 ナイトテーブルに置かれた時計の時針は、まだ2を通り越したばかりだった。 怖い。 眠るのが怖い。 動くのが怖い。 何が起こるか、わからないから。 私は、いい子にしていたはずなのに。 ちゃんと、してたと思ったのに。 でも、結局、負担をかけてしまった。 だから、母は倒れた。 私は、悪い子だ。 役立たずだ。 両親をつなぎとめることも、母一人を守ることもできなかった。 何も、できなかった。 ただ、つらかった。 胸が、痛かった。 胃が、痛かった。 どうすればいい? わからない。
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