第二幕

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黒板に、チョークが白い跡をつける。 「自己紹介をどうぞ。」 「五大院美織(ごだいいん みおり)です。よろしくお願いします。」 軽く頭を下げる。 担任の早川(はやかわ)は数秒こちらを見ていたが、私がこれ以上の自己紹介はしないとわかると前を向いた。 「じゃぁ、空いてる席に着いて。一つしかないけど。」 「はい。」 教室の一番後ろに向かう。 隣の席になる生徒に軽く会釈し、席に着く。 以前なら楽しかったはずの、同年代の子と共に過ごす空間(学校)は、もう息苦しさしか感じなかった。 自分がどこか浮いているかのような、居心地の悪い、不思議な感覚がするだけだった。
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