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「いい?敦兄ちゃん。この時のママは、まだ自分が死んじゃうなんて知らないから絶対にバラしちゃダメよ。もし何を言えばいいか分からなくなったら黙ってニコニコしていればいいからね!」
「お、おう!」
兄に念押しした後で、私は玄関の前で深呼吸をする。まさか本当に成功するとは思わなかったので、今になって少し緊張してきた。
「さーて、いくわよ」
取っ手をギュッと握りしめる。
――ガチャ
「ただいまー!!」
私と兄は、声を揃えて玄関のドアを開けた。
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