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「あなた、感心している場合じゃないわ!」
「そうか! 今あの三人を襲うと、お茶の間の皆さんに目撃されてしまうのか!」
やっと気付いたかと、池田が頷く。
「ま、ちょっと違いますけど、そういうことっす」
「ありがとう、池田君。君は救世主だ。危うく我らの存在が全国に知れ渡る所だった」
言い終わるなり、漆黒のマントを広げる。三階の窓から飛び出した時には、大きなコウモリの姿に変わっていた。
「皆の者! 今夜は中止だ! 引き上げぃ!」
超音波を発し、大音声で呼びかける。一族の長の命令に、「吸わす、吸わすか、吸わせろ」の掛け声も次第に小さくなってゆく。
まろび転びつ逃げて行く三人の姿が見えなくなると、山は再び深い静けさに包まれた。
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