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2話:探す
それから。
妹様に宇宙人がいるはずだ、探せ!
と無理難題を押し付けられた。
長期休暇後の勉強を真面目にやっていたか調べる実力テストなるものがあったらしいが、妹様は無双して学年一位らしい。
美少女だが変わった性格で、今ではクラスで浮き始めているとか。
憐れんで輪に入れてくれる成人や物好き、外見さえ良ければいいという男たちが集まってくるらしい。
『ガキばかりで興味がないかな』
と全方面に発信した結果、周りは先鋭化されていって困っているとか。
そして、運動が大の苦手で、自転車に乗れず、球技も体操も水泳も駄目で、その時期になると弱々しい少女に変わるためかわいい。
土曜日、私の部屋にて。
「つまり一週間力を入れてこれなのか。大変残念なお姉ちゃんだね。宇宙人に出会った人たちは無傷で帰ってくる人もいるはずだが、そうでない人もいる。おかしな目に遭った人を探してみてはどう?」
「妹様ヒントはありがたいけど、教えてくれるわけじゃないのね」
「こちらから見えるものを探すしかない」
妹は空間上にディスプレイを表示してSNSを開く。
検索をしながら、表示されるつぶやきをスクリーンショット昨日で画面保存しながら集めていく。
「面白いね。個人情報がすべて紛失している話がいくつか上がっている。ダイレクトメッセージでも送ってみよう。無事に家に帰れたとしても個人情報も記憶も失って生活には苦労しているみたいだね」
「ハッキングされて個人情報を抜き取られたってこと?」
「そうだね。リーダーみたいな人が同じような被害者を探しているみたい。会ってくるといい」
「会ってどうするの?」
「宇宙人の話を聞き出すべきだ。でもそうだね、宇宙人に見つかって何かされるかもしれないのに、よく発信できたものだ。私はコミュニケーションが苦手だから頼むよ」
……妹様は躊躇なくダイレクトメッセージを送る。
この三日後、当事者に会えることになったのだが、妹様は平日のため学校である。
その方が住む近くのカフェで集まることになった。
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