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リーンの女神契約破棄
「リーン、お前を女神失格とする。才能、能力、知力共に、女神にふさわしくない。ゆえに、女神契約破棄とする。即刻、天上世界から脱籍し、天界へ戻ることを命令する」
(えっ?)
リーンは天上界の子供。雲から生まれ、いずれ、天尊様の無数にいる子供の一人として、世界を支える者になる予定だった。
「まったくお前は役に立たぬ」
女神監督官の女官連中はぎろりと睨み、ヒダの衣装をひらひらさせてぴしっとムチを手に打って、冷たく言い放つ。
(どういうこと?)
女神指南書や解説書の分厚い本を、ぼとぼとっと下に落とした。
リーンは生まれてずっと、雲から生まれた女神候補たちと共に、女神見習いとして共に育って来た。
今日も神々と聖獣たちの日々の仕事を学び、雨や雲、日の公転、温かさや海の恵みについて勉強するはずだった。
(あれかしら?)
そう、ついこの間の、女神昇格となる試験の日。
大事な試験の前に、父親である大神、元尊様に茶を出す仕事を任されて、見事にその茶をひっくり返して、父の衣服の裾にぶちまけたのである。
(嫌だったのに、でもお茶出せって言われて、あれが悪かったのかしら?)
怒った試験監督官は、その日にリーンを不適格とした。
そして次の日。リーンは契約破棄を受けた。
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