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 愕然としながらそう叫んだのも仕方ないだろう。  そんな私の焦りとは裏腹に、くっと表情を歪めたルミール様は苦しそうに口を開いた。 「実は、出来なかったんだ」 「えっ」 “また失敗したってこと? いや、その前にお見合いをしたって聞いたの今日なんですけど! まさかまた即尺プレイをしようとしたんじゃ”  告げられた言葉に色んな想像が駆け巡り思わず頭を押さえる。  その様子で何を想像したのか理解したのだろう、ルミール様が慌てたように顔を左右に振った。 「さ、流石に違うからな!? その、サシャの作ってくれた指南書を見ながら自主練しようとしたんだ」 “つ、つまりは自慰ってことかしら” 「だが、サシャの顔しか思い浮かばなくて」 「……え?」 「頑張って他の、……その、顔合わせをした令嬢の顔を思い浮かべようとしたんだがピクリとも反応しなくて」  はぁ、とため息を吐き首を傾げながらそんなことを口にするルミール様に、私の頬がじわりと熱を持った。 “私の顔しか思い浮かばないだなんて”  嬉しい、なんて思ってはいけない。  彼は必ず貴族のお嫁さんを見つけ跡継ぎを作らねばならない人だから。
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