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そうわかっているのに、高鳴る胸が止められなかった。
「サシャのことを思い出すだけでこうなるのに」
「ッ!?」
困ったように眉尻を下げ、子犬のように私を見つめるルミール様の下半身が既に臨戦態勢になっていてギョッとする。
「これはきっと、俺の初めてがサシャだからだと思うんだ」
「わ、私の初めてもルミール様ですが」
「たった一回しか経験していないせいでサシャにしか反応しないなら、何度か経験すれば他の相手でも勃つようになるかもしれない」
「で、ですがその理論なら私以外の方と出来るようにするため他の娼婦をご指名いただく方が」
「他じゃダメだ!」
「え、えぇっ!?」
思ったより力強くそう言われ、抱えたままの水差しを抱き締めながら思わずたじろいだ。
「サシャにしか勃たないんだ、サシャ以外と経験は積めない」
「そんな」
「俺に経験を積ませて欲しい。この行為に慣れればきっと、誰にでも反応するようになると思うんだ!」
“誰にでも、はあんまり良くないんじゃないかしら”
チラッとそう思うが、だが私だけにしか反応しないという方がまずい。
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