プロローグ

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プロローグ

 空気が、冷んやりとする。  目の前の暗闇には、ぼんやりと見える白い息。  吐き出しているのは、僕だ。  だけど、なんでだろう。  何も感じないし、聞こえない。  見上げているのか、倒れ込んでいるのかも分からないけれど、僕の瞳に映る闇には、いくつもの小さな光の粒が見える。  夜空に瞬く、星だろうか?  キラキラしていて、とても綺麗だ。  意識が遠くなる。  なんだろう、この感覚は。  頭の中で今までのことが、巻き戻っていくみたいに目まぐるしく動き出す。  ああ、そうか。  星の瞬きよりも速く、思い出した。  ──僕がこの世界で一番後悔しているのは、君の想いに、気がつけなかったことだ……
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