第6話 スクワッドバトルに勝ったんだが

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第6話 スクワッドバトルに勝ったんだが

■Team【夜の円卓】 『作戦を変えたいと思うの……私達のランキングは低いかもしれないけれど、殲滅戦を挑みたい!』  はるまきちゃんがチームメイトに告げる。  突出した実力を持っているのがはるまきちゃんだけの【夜の円卓】では殲滅戦は不利といえた。  それでも、拠点制圧しようと思うと先ほどと同じ作戦で包囲殲滅される恐れが高いのも事実である。 『わかった、はるまきちゃんの作戦を聞こう』 『ソルさんに足を確保してもらって、リアムさんを運ぶ形にしてほしいの。フォーメーションはツーマンセルを2つみたいな?』 :了解……リアムは俺について来てくれ 『はるまきおねーちゃん、今度は足を引っ張らないようにするよ!』 『アリスくん、よろしくね』    二組に分かれて行動をし始める。  はるまきちゃんとアリスは廃病院のほうへ、リアムとソルは車を入手するために外を行く。   :ここから殲滅戦に切り替えるのはすごいなぁ :いい勝負になるか、どうか……具体的な作戦次第? :はるまきちゃんがちょっとかっこいいぜ!  チャットの応援を受けた【夜の円卓】は戦場へ向かった。 ■Team【静かなる狼】    レーダーを見ていた、ヴォイドは同じ作戦を引き続きとるため、制圧拠点に向かうための進路妨害を仕掛けていく。  はるまきちゃんともう一人が廃病院に入ってきたのを確認はしていた。  向かうのは拠点だろうと思っていたヴォイドだが、レーダーは自分のほうへ向かっている存在を示す。 『何!? どういうことだ?』  ヴォイドは〈瞬間移動〉スキルを使うタイミングを計りながら、光点が移動しているのを見た。  敵は二人……先行しているのは、はるまきちゃんだろう。  ヴォイドは残弾を確認し、アサルトライフルを構えて、敵が姿を見せるのを待った。  姿を見せたのはアリスである。  アリスの手からスモークグレネードが転がり、ヴォイドの視界が悪くなった。  おおよその位置に向かって、ヴォイドはアサルトライフルを連射する。  チュンチュンチュンと壁などにあたっているだだろう軽い音しかしなかった。 『お・か・え・しだよ♡』  突如、天井が崩れたかと思うと、はるまきちゃんが現れヴォイドの首をクナイで斬りつけた。  喉元を瞬時に斬り裂き、即死させる。   『アリスくん、次を倒しに行こう。このヴォイドって人がリーダー格だから、あとは崩れていくはずだよ』 『はい! はるまきおねーちゃん!』  はるまきちゃんとアリスは互いにうなずきあって、レーダーを元に次の敵を探しに行く。  二人で挑めば無敵のように見えた。 :ぷりてぃな二人組だ! :まて、アリスは男だぞ? :何を言って言いる。ついているならお得じゃないか! :変態しかいねぇなぁw  チャットでははるまきちゃんとアリスをたたえるコメントが流れていく。 『私の活躍を引き続き見てね♪』  カメラに向かって投げキッスをしたはるまきちゃんは、ミニスカートをひるがえしてその場から離れた。 ◇ ◇ ◇  一方、別のカメラはヘルズシェイカーを追っていた。  高火力重装備を持った歩く要塞ともいえる彼の行動は1試合目、2試合目と目立っていたので注目されるのは仕方のないことである。 『ヴォイドがやられたか……だが、俺は俺の道をいくぜ!』  当初の予定通り、制圧拠点となっている大浴場の窓側に回り込んで動いていた。  装備が重いために移動速度が遅いが、小回りの利くメンバーが先行しているので問題ない。  背後もスナイパーのスティルが狙撃体制に入っている限り安心もできた。  チュンと足元に銃弾があたったことを知り、ヘルズシェイカーは中庭の林になっている部分へ身を投げる。  身を隠しながらレーダーで敵の位置を確認する。  動いている光が1つだけ見えるが、スナイパーは捉えきれていなかった。  装備しているのは赤い悪魔のような外見をしたパワードスーツ【ディアブロ】である。  ただのスナイパーライフルではやられることのない耐久度を持っていた。 『隠れるのはいいが、じっとしているのは性に合わん』  動く光に向けて、誘導ミサイルを構える。  サイトが捉え、ロックオンの合図が出た時、銃弾が飛んできてヘルズシェイカーの頭を吹き飛ばした。 『見事』 『貴重な賞賛ありがとう。ソル君の運転が安定しているおかげだよ。サイドカーが見つかったのは運も僕らに向いているのかな?』 『然り』 『はるまきちゃんの援護に向かおう。スナイパーであるスティルははるまきちゃんに倒させてあげたいしね』  サイドカーに乗りっぱなしのリアムに従い、ソルはバイクを走らせて飛ばした。 ◇ ◇ ◇ 『ヴォイドも、ヘルズシェイカーもやられた!? どういうことなの!?』  ランキング上位だったメンバーがやられてしまったことで、動揺したスティルはギリースーツを脱いだ。  装備しているのは連射ができるスナイパーライフルとして優秀なマークスマンライフルタイプの銃である。  抱えたまま移動し、作戦を考え直しているようだった。 :スティルたん終了のお知らせ :処刑用BGMが流れてもおかしくない展開だ :ま、まだ仲間一人いるし!    チャットの方も終わりが見えているのか反応が鈍い。  スティルは物陰に隠れながら、レーダーを確認し目視でも警戒をしていった。  焦っているのがわかるほど、周囲をキョロキョロしている。  そこに、仲間であるブラッドの姿が見えた。 『ブラッドね。良かった、二人いれば背後を守ってもらえるわ』  一安心し、他を警戒するために視線をブラッドから離したとき、タンタンと銃声が鳴ってスティルは背後から撃たれた。 『喋らない味方は味方じゃないこともあるんだよ』  何が起きたかわからないといったスティルが目を見開いてブラッドの方を向くと、ブラッドの姿がバラバラになって消えてはるまきちゃんが立っている。  はるまきちゃんの持つスキル〈偽装〉だった。 『私の負けね……完敗よ……』  光の粒子になって消えていくスティルを見送ると、試合終了の合図がでる。  ——WINNER IS 【夜の円卓】——  一つの戦いが終わった。  だが、これは次の戦いの序章に過ぎない……。
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