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また白い光に包まれて莉子は目を閉じる。眩しさがおさまり、目を開けると、また見知らぬ場所にいた。
室内の家具はアンティーク調だ。
机の上には、読みかけの本や書類が散乱している。
バサリと何かが落ちる音が本棚の方から聞こえた。
音のした方向へおそるおそる近づいていく。
本棚の陰にローブ姿の男性がいた。
濃い紫色のロープを纏った男性は、黒く長い髪をゆるく一つに束ねていた。
落ちた本を拾い終えた男性とパチッと目があう。黒曜石を思わせるような漆黒の瞳。
男性はすぐに目を逸らした。
「勝手にお邪魔してごめんなさい』
「…」
何も返答がないので、莉子は「失礼します」と声をかけて退散しようとした。
出口へと向かい扉のとってに手をかけようとしたところ、突然背後から抱きしめられた。
「行かないでほしい」
「⁉︎ちょ、放してください!」
突然背後から抱きしめられた恐怖で、莉子は叫ぶ。
「私は…人見知りで…女性が苦手なのだ…だが、あなたを見た時…不思議な感覚になって…」
『それは、きっと、魅了魔法のせいです! もう、みんな距離感バグってませんか! 離れてください!」
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