魅了魔法をかけられました〜悲惨な未来を防ぐために〜

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そのまま消息不明です。無事でいてくれるとよいのですが」 「行方不明? この方は、アルバート様ではないのですか?」 「莉子殿は、アルバート殿をご存知でしたか。 ですが、アルバート殿ではありません。彼の弟のフィリップです」 「弟?」 「アルバート殿はフィリップを前線に立たせて、見殺しにしたのですよ!  兄ならば自分が真っ先に矢面に立つべきでしょう! フィリップは、自分を犠牲にして皆を守ったのに! アルバート殿は、あいつは、フィリップをろくに探そうともしないで、死んだことにして墓まで作って‼︎ フィリップは……」 莉子は墓地での光景が甦る。 必死に墓前に祈っていた。アルバート様は決して誰かを見殺しにするような方ではないと思う。 心の拠り所がほしかっただけなのだと思う。 莉子は考えを整理するために目を閉じた。
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