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なんだか変な夢を見たきがする。
身体中がズキズキ痛む。
「気がついたか?」
ふと目を開けた莉子は、男性の姿が飛び込んできて驚く。
「ひっ!」
黒い髪を綺麗に整えた若い男性が莉子を覗きこんでいた。
初めて見る赤い瞳をしていた。
「痛っ!」
莉子は起き上がろうとして、痛みに悶える。
男性は、莉子の背に手を添えて、起き上がる介助をした。
『ありがとうございます。あの、私はなぜここに?』
「覚えていないのか?
道端に倒れていたのだ。」
あれは夢ではなく、本当に私は落ちてきたのだろうか。
「落馬でもしたのではないか?しばらくここで過ごすといい」
「ちょっと色々と混乱していて。とにかく帰りたいのですが」
莉子の返答に、男性はピタリと固まる。
「帰る?
何を言うんだ。ここで過ごせばいい」
「いえいえ、さすがに見ず知らずの人にお世話になるわけには……。
ここがどこかも分かりませんし、
ご迷惑かける訳には…』
男性はベッド脇に腰掛けて、莉子を切なげに見つめる。
「何も迷惑などかからない。」
莉子の髪を弄び唇を落とした後、莉子の顎を掬い上げて顔を近づける。
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