3人が本棚に入れています
本棚に追加
莉子は、瞬時に男性の口に両手をあててキスを防いだ。
「いきなり、何をするんですか?」
身の危険を感じつつも、莉子は務めて冷静に対応する。
「あなたを見た時、運命的なものを感じた。」
「は⁉︎」
まさか一目惚れ?
ナンパもされたことのない莉子は、素直に言葉を信じることができない。
好みが変わっているのか、変態だ。
まるで、何かに魅入られている様子だ。
魅了魔法‼︎
これが女神様の言っていた祝福。
女神様の言っていた重要人物の一人ということ?
意味分からない
「困ります」
とりあえずはっきりと、拒絶の意思を示す。
男性は莉子の手を取ると、手の甲に口づけを落とす。
「ちょっと!」
莉子は手を引き抜いて抗議する。
男性は、物語でみたことのあるような騎士服を身に纏っている。
「何が困るのだ?教えてほしい」
またも莉子の手を取ると、熱を帯びた視線を向ける。
「今日お会いしたばかりですし…』
「では、何度目なら受け入れてくれる?」
「え?」
「何度目にあなたに口づけることができる? 何度目なら困らない?何度目なら求婚できる?何度目なら━━」
最初のコメントを投稿しよう!