第13話 まるで恋する乙女のように。

8/8
前へ
/115ページ
次へ
 オリヴェルさんからそう言われているけれど、私自身に自覚がないので返事に困ってしまう。 「お会い出来て光栄です! まさか目の前に伝説の大聖女様がいらっしゃるなんて……! ああ、この感動をどう表現すれば良いのかしら……っ」 「でで、伝説……っ?」 「ええ、ええ……! 大聖女リーディア様はこの世界を救われた、偉大なお方なのですよ……!」  リーディアがすごい力を持っている、というのは知っていたけど、まさか世界を救っていたとは思わなかった。 「あの、私にはリーディアの記憶がなくて……。出来れば別人だと思っていただけませんか? それと、その時のお話をお伺いしたいんですけど……」 「ええ、もちろんですとも! リーディア様の武勇伝は物語にもなっているのですよ」 「も、物語?!」 「ええ、そうです。大聖女様と魔王様の物語は、世界中で愛されていますよ」 「え……っ」  私はミシェレさんの言葉に──”魔王”という言葉に驚いた。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加