第14話 この世界に魔王がいたんですか?

3/9
前へ
/115ページ
次へ
「ええ。確かお二人とも二百歳は余裕で超えていらしたかと。それでも魔力賞に比べれば、早くにお亡くなりになった方ですけどね」 「…………」  私は驚き過ぎて、もう声が出なかった。  そんなに寿命が長かっただなんて! しかも寿命で亡くなった訳じゃない……?  あまりの事実に驚いていると、突然図書室の扉が開かれた。 「えっ、オリヴェル様……?」  現れたのはオリヴェルさんで、珍しく焦っているらしく、険しい表情をしている。 「ミシェレ書記官。何故貴女がここに……?」  オリヴェルさんはそう言うと、ミシェレさんに鋭い視線を投げる。  何だか怒りを抑えているように見えるのは、気のせいではなさそうで。 「あのっ! 私がヘリヤさんにお願いして連れて来ていただいたんです! この世界のことや神聖力のことを詳しく聞きたくて……!」  私はミシェレさんを庇うように、オリヴェルさんの間に立った。 「そう言う時は、私に聞いてくださいとあれほど……っ、」  オリヴェルさんが、どうして自分に、と言いかけたけど、私が頼らなかった理由を思い出したのか、そのまま無言になった。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加