第2話 ”魔王”のお気に入りでしょ?

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第2話 ”魔王”のお気に入りでしょ?

「〜〜♪ どっすんドコドコどどんがどん! 会いたくて痺れるTONIGHT〜♪」  玲緒奈ちゃんが熱唱する横で、私はタンバリンを一生懸命ジャカジャカと振り鳴らす。 「ギャハハ! 意味わかんねー歌!」 「歌唱力の無駄遣いだね」  優希ちゃんと楓怜ちゃんも手拍子しながら笑い転げてる。  玲緒奈ちゃんは歌がとても上手なのに、何処から見つけてくるのか変な歌ばかり歌う。そのギャップが面白くて、カラオケに行くといつも盛り上がるのだ。  そうして三人が一通り歌い終わると、流石に疲れたのか休憩を挟むことになった。 「ひなは今日も歌わないの? 歌ったら楽しいよ?」 「いやいや、私すっごい音痴だし! ジャ○アンリサイタルになっちゃう! それにみんなの歌を聞いてる方が楽しいし!」  私は今まで何度もカラオケに来ているけれど、人前で歌ったことは一度もない。 「そうなん? ひなの声めっちゃ可愛いから、歌うの聞いてみたいのに」 「えっ、そ、そうかな……? でも”ボエー”ってなっちゃうと思う」 「それ逆に聞いてみたい! 歌って歌って!」 「え、ええっと……っ!」
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